お化け大学校 | 水木しげる総長、京極夏彦教授、荒俣宏教授の妖怪学校 > れぽーと

「妖怪セミナーin遠野」レポート!

9/25(土)、26(日)の二日間、岩手県遠野市で行なわれた「妖怪セミナーin遠野」。
二日間とも予想を超えてたくさんの方々にご来場いただき、誠にありがとうございました! また遅くなってしまいましたが、簡単にレポートさせていただきます。

万全の体制でイベントに望むべく、京極さん+一部スタッフは前日入りして打ち合わせ。
遠野駅に到着すると、河童がお出迎えです。

かっぱ

当日の流れや購買部についての確認をし、当日を迎えました――。



そしてイベント当日、9/25(土)。
化け大購買部は朝10時からスタート。

購買部

購買部の前、入り口付近には「水木しげる像」も鎮座し、来場者をお迎えしました。

水木像

購買部は大変盛況で、初日で完売する本もたくさんありました。
遠野特集の「怪 vol.0030」も見事に完売! ありがとうございました!

イベントリハーサルまでの間、実は京極さん、村上健司さん、見に来られた化野燐さんたちは、「怪フィールドワーク」のポイントなどを巡っていらっしゃいました。
何人かの化け大生は、ちょうど遭遇したのではないでしょうか? 
「五百羅漢」や「カッパ淵」、「でんでら野」などをフィールドワーク。カッパ淵には、カッパを釣るためなのか、キュウリの付いた釣竿が......。
各ポイントには化け大の単位ポイントも掲出され、ポイントをゲットしている化け大生も見かけました。

カッパ淵(カッパ淵を歩く京極さん。その向こうに釣竿が)

その後会場に戻り、ついに本日のメインイベント、京極さん+近衛はなさんによる「遠野物語が語るもの」がスタート。
まず遠野の語り部・正部家ミヤさんによるお話があました。

その後、京極さんによる朗読です。
朗読したのは『冥談』に収録の「遠野物語より」。約40分の朗読は過去最長! 遠野の風景に乗せて語られる「遠野物語より」は、ここでしか聴けない貴重な朗読。来場のみなさんもすぐにひきこまれ、あっという間の40分でした。

朗読

朗読のあとは、近衛はなさんとのトーク。
「遠野物語」について、そして「遠野」という地について、それぞれ意見を交わしながら、遠野の魅力を語り合われました。遠野物語や遠野についての疑問を近衛さんがぶつけると、京極さんが面白おかしく見事に答え、会場の皆さんも笑いながら「なるほど~」としきりにうなづいていらっしゃいました。

トーク1

イベントは急遽Ustreamでの配信が決定。
ネット上でもたくさんに方にご覧いただきました。



その夜は、善明寺にてイベント「夜の寺町怪談めぐり」。
まず住職から、善明寺に奉納されている「供養絵額」(「怪 vol.0029」にて、荒俣さんが連載で紹介されていたあの絵額です!)などについてのお話がありました。
そののち、遠野市博物館学芸員の前川さおりさん、多田克己さん、村上健司さんによるトークショー。遠野に伝わる伝承と妖怪との関わりを話すうちに、話題の中心は「座敷わらし」へ。三人の絶妙な掛け合いに、笑いの絶えない1時間でした。

寺町



そして翌日9/26(日)。

朝早くから、実は再びフィールドワークへ。
善明寺さんに再び訪れ「供養絵額」や「天狗の牙」を見せていただき、千葉家の「曲り家」を見学し、会場に舞い戻ります。

善明寺


その後は本日のメインイベント、荒俣宏さんと高橋克彦さんによる「遠野古事記が語るもの」がスタート。
「遠野古事記」とは、柳田國男が「遠野物語」を書く際に参考にしたという、遠野の風土記のようなもの。ここに書かれた内容を元に、「遠野」の真相に迫っていきます。しかし後半になると、いつのまにか高橋克彦さん一家のお話になり、その面白さに会場は爆笑に包まれました。

荒俣氏


続いて語り部の方のお話があり、「神楽」が厳かに行なわれ......

神楽

そしてついに「怪遺産認定式」へ。
そう、遠野市は、第三回怪遺産に認定されたのです!

「カッパ」「ザシキワラシ」など数々の妖怪伝承を擁し、「遠野物語」の舞台ともなった遠野は、古き先人の営みを今日に伝え〝日本のふるさと〟として怪異・妖怪文化の普及に大いに貢献をしてこられました。世界妖怪協会は「遠野物語」発刊百周年に際しその功績を讃え、今回の怪遺産の認定となりました。

遠野市長へ、荒俣さんが認定証を、京極さんが盾を授与されました。
遠野市長からも、今後も文化を守り、発展させていくとの力強いお言葉を頂戴しました。


認定

こうして、二日間にわたる「妖怪セミナーin遠野」は幕を閉じたのであります。

ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました!




特別妖怪講座「お盆とお化け」(8/13@大阪) 講義レポート!


813

8月13日金曜日、大阪のなんばパークスにあるカルチャーセンター産経学園さんにて、特別妖怪講座「お盆とお化け」が行われました。
普段こちらでは月イチの妖怪講座が開講されているのですが、今回は夏休み特別編ということで、講師に化野さん、榎村さんをお迎えしての特別講座となりました。

実は、関西での化け大提携イベントは初開催。どうなることかと心配もありましたが、終わってみれば平日の昼間だったにもかかわらず、大部屋が満席になる大盛況でした。

参加者さんも幅広く、下はなんと小学1年生の方からご年配の方まで、大阪、京都、兵庫はもちろん、和歌山、奈良、三重、滋賀と、関西一円からの参加者さん。さらには東京や名古屋など遠方からも多くのご参加がありました。お化け好きの方の裾野の広さと、化け大イベントへの期待度の高さに改めて驚かされた気分。

講義の方は、まずはお盆の説明からはじまって、盂蘭盆会がどうして夏にあるのか、そもそも「お化け」って何なのか、そして「どうして夏にお化けが出る」のか、と、お盆とお化けに関する基本的な説明が、お二人の掛け合いでテンポ良く進められました。どれもこれも「なるほど!」とひとつずつ納得できる話ばかり。

そして、お盆の時期に出るお化けの代表、ということで「舟幽霊」と「トモカズキ」の話が盛り上がり、陰陽道から竜宮城、河童に魔除けシステムに幽霊からの電話まで、縦横無尽に話が広がって、まだまだ話が尽きないうちに時間の方が尽きてしまいました。
本当にあっという間の90分で、また関西でもイベントをしたいですね、とおっしゃるお二方にみなさんから暖かい拍手が。
機会がありましたら、ぜひまた関西の方でもどうぞよろしくお願いいたします。

全日本妖怪推進委員会/妖怪講師 松野くら


「多田克己presents 妖怪なう」イベントレポート!

4月18日に行われた、化け大提携イベント「多田克己presents 妖怪なう」。
そのイベントレポートを式水下流さんよりいただきましたので、こちらに掲載させていただきます!

▼▼▼▼▼▼

 皆さん、はじめまして 式水下流と申します。
 化け大の講師である妖怪研究家 多田克己先生と、司会の妖怪絵師 東雲騎人先生には、カルチャーセンターの妖怪講座にて数年来師事させていただいております。
 去る2010年4月18日(日)に、東京は下北沢の「GARDEN」にて、お化け大学校提携講座のひとつ『多田克己Presents 妖怪なう』を主催させていただきました。
 多田克己先生と東雲騎人先生は、妖怪トークイベント『妖怪謝肉祭』を何度も開催されており、私も参加させていただいております。お二人の絶妙なコンビは、阿佐ヶ谷で3月に行われたイベントで、化け大生諸氏には記憶に新しいと思います。
 今回主催させていただきた『妖怪なう』は、過去のイベントとは違った切り口でやりたい! と言う一念で開催したわけですが、第一回目のゲストは、縁あってご依頼させていただいたなんとあの『うしおととら(小学館刊)』の藤田和日郎先生!
 藤田先生の作品のファンの方には、妖怪は勿論のこと、多田先生・東雲先生に親しんでいただき、逆に妖怪好きな皆様には、藤田先生の作品に興味を持っていただけるようなイベントになるよう、構成したトーク内容はいかがでしたでしょうか。
 ご来場された方には、講座のおさらいに、来られなかった人には、講座の雰囲気を一片でも感じ取っていただければ幸いです。

●開演前
 10:30~藤田先生到着。
インバネスに黒いスーツ黒い帽子と言う大変珍しい服装。
マリオネットが入らんばかりの大きな鞄を携えて楽屋入り、と思ったら11:00まで階段で開場待ちをされているファンの皆様とお話をしたり握手をしたりと、ファンサービスを欠かさない。
 楽屋にて多田・東雲両先生と一部スタッフによる打ち合わせの後、企画者・司会者より早めに登壇されるゲスト。何をされたかと言うと、前述の大きな鞄を開き本当に人形を出す藤田先生。
 これは...と言う客席の動揺を他所に、人形を椅子に座らせて楽屋に戻り...開演

●第一部
 多田・東雲両先生の自己紹介と今回のイベント趣旨3分でわかる『うしおととら』。
藤田先生に登壇いただく前に紹介を済ませる。
 約20分の前説の部分なので若干製作側としては不安だったが、多田先生がおどけて東雲先生が諌めるいつものコンビネーションは健在で、会場受けもよく、熱気も高まったところで藤田先生登壇!
 早速妖怪の話を進めようとする東雲先生に、藤田先生が自ら「何か訊きたい事ありませんか?」と振るのに対して、何事もなく進めようとする東雲・多田両先生...業を煮やして人形について藤田先生が「人形作家さんが造ってくれた人形を皆さんに見てもらいたくて持ってきちゃいました」と『からくりサーカス(小学館刊)』の「しろがね」をモデルにした球体関節人形を紹介。
 イベントはしろがね人形を交えて4人で幕が開きました。

★先ずは妖怪そのものに関してのお話
 理由がわからない現象や怪異を「妖怪」として、名前や姿をつけることで恐怖を緩和することができるものとして安心ができる。
 デビュー作『うしおととら』で妖怪を扱ったのは、藤田先生は妖怪の伝承が少ない北海道に住んでいたため、妖怪に対する憧れとコンプレックスがあったため。
 若い頃に訪れた遠野で歴史のある景観に触れ、さらにその気持ちが強くなった、という経験を経て妖怪漫画がデビュー作となった。
 しかしながら、藤田先生は『うしおととら』は妖怪漫画ではなく、水木先生の漫画のようなものが本物であると言う。『うしおととら』に出てくる妖怪は、人を食ったり火を出したりと物理攻撃をし、そして同じように物理攻撃で倒され、爆発してやられる、ハリウッド映画のモンスターに近い形質を持つのが理由だ。それに対して多田先生は、日本の妖怪は物理的に危害を加えるような事をせず、憑いたり呪ったりの精神的にダメージを与える陰湿なものが多い、と言う説を上げ、中国の妖怪・『西遊記』の妖怪に近いんじゃないかな、と指摘した。
 藤田先生の考える"本物"と言う考え方でとらえると、質感で例えれば『ゲゲゲの鬼太郎』の水虎の話が素晴らしいと語る。水の妖怪である水虎を鬼太郎が飲み込み、自ら雪の中に入って飲み込んだ水虎を凍らせ、玄翁で叩いて倒す。この戦い方こそが、妖怪漫画の理想と言う。

★なぜ『うしおととら』なのか
 『うしおととら』と言うタイトルは「うしとら」と略されて親しまれているが、鬼門の方角の「うしとら(艮)」を意識してのものだったのか? との質問に対し、最初は「魔槍伝」とか「退魔戦記」と言ったカッコよさそうなタイトル付けをしていたところ、編集に駄目出しされ「タイトルには主人公の名前を入れたほうがよい」とアドバイスをもらってつけたタイトルだそうで、関係なかった。
 ......ご本人の口から聞けて感激しました。
 さらに編集や読者が鬼門の方角が「うしとら」だって教えてくれて、結果的に東京から鬼門の方角の旭川と、白面が封印されている裏鬼門の南西を行ったりきたりするという展開になったという。伏線に関しても最初から考えてるものではなく、話を畳む時は自分がついてきた嘘と向かい合う贖罪の旅の様なもので、生きてる実感がしたとのこと。

1
【左から東雲騎人先生、藤田和日郎先生、多田克己先生】


●第二部
 第二部はうしおととらに出てくる妖怪についてのデザインや伝承に関してのお話

・とら
 藤田先生は結構な怖がりであるそうですが、怖い妖怪がもし味方だったら安心できる存在なんじゃないか、という発想から生まれたとのこと。作中では「字伏」・「長飛丸」・「雷獣」・「わいら」と多くの名を持つ「とら」。では「とら」という妖怪はいない。「とら」・「字伏」・「長飛丸」と言う名前は藤田先生の創作だが、「わいら」という妖怪はいる。
 「とら」の存在に信憑性を付けるために、「わいら」の正体不明な感じを利用したとのこと。「雷獣」は雷撃を使う「とら」だけに納得でしたが、わいらについての秘密が明らかになったのは目から鱗でした!

・白面の者
「とら」の話があれば、最大の敵である「白面の者」の話も。
「九尾の狐」という名前が作品中に出て来ない点を多田先生が聞くと、「九尾の狐」とそのまま描くと自分が祟られそうで怖いから、あれは白面というオリジナル妖怪で狐様ではありません! とお稲荷様にお参りしたお話を披露! だから名前を使わなかったそう。
 そこから「金毛白面九尾狐」が元々瑞獣(縁起の良い動物)だったお話や、殺生石の話へ。北海道に飛んだ白面の破片はやはり妖怪伝承に対する憧れやコンプレックスから、北海道にそういう伝承を作りたかったんでしょう、と言う結論に。
他にも「白面の者」のあの目に時間を費やしていたお話や、怒りを体現している存在であることなど、話は尽きそうにありませんでしたが次の話題に。

・衾
 誰もが怖いと思うインパクトを持つ妖怪。
原点は野衾や野鉄砲と言う妖怪と思われるが、何故空の妖怪であのようなデザインになったのか? との質問に対し、藤田先生は、デザインに関しては漫画映えすること、戦闘機で攻撃することを想定していたので巨大であることがあり、あの顔に関しては寝てるところを覗きこまれて、一番厭な顔を描いたらあんなのになったそうです。厭な顔でもあるが怖いと言う意味では大成功だったと思う。

・オヤウカムイ
 多田先生のリクエストで北海道のお話をということでセレクト。
 洞爺湖の伝承のお話も含めて作中では上手く伝承に沿っていると言うお話。
 藤田先生も流石によく知ってるなぁと多田先生感心。
 藤田先生は御土産物屋で買った地元伝説の冊子を元にあの話を書いたと言う。

 制作側としてはほぼ進行通りで安心。
 おまけに藤田先生の軽快かつポイントを抑えたトークと、多田先生のよいタイミングで突っ込みと、東雲先生のまとめのタイミングが絶妙で、全く密度を薄めず、予定より更に濃くして休憩で三部です!

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【白熱した妖怪トークに時間を忘れて語り合う】


●第三部
 第三部は、多田先生と藤田先生にその場で色紙にお絵かきと言うコーナー。
 先ずは会場からリクエスト。「とら」や「白面の者」、中には「わいら」なんて声が上がる中、藤田先生の筆が入る! 先ずは目! 白面の目です。白面の姿が現れたと思うと「とら」、「うしお」、「真由子」、「麻子」、「いづな」と次々描いていく藤田先生。対抗意識満々の多田先生は「わいら」からはじめて「土蜘蛛」や「河童」と言った色々な妖怪を描いていく。
 藤田先生のイラストには感嘆しますが、多田先生も絵が上手い、というのに驚かれている人がちらほら。
 と、突然藤田先生がペットボトルから水を手に移してぼかしを入れて仕上げ!
 最後はプレゼント大会で東雲先生が事前に描いていた色紙を含め、三先生の色紙をくじ引きで来場者にプレゼント。藤田先生の色紙の当選者なんとチケット番号9番! 「白面の者」の尻尾と同じ数の番号でした。

 最後の一言で、藤田先生は妖怪漫画をもう一度描いてみたい、と仰っていただき、 会場の熱気も冷めやらぬうちに、あっという間の三時間が終了いたしました。

とらケーキ
【楽屋に差し入れされた「とらケーキ」】


色紙
【藤田先生の感動すぎる色紙】


最後に「下北沢経済新聞」にあげられていたニュース画像をどうぞ。
http://shimokita.keizai.biz/headline/900/

文:式水下流


 妖怪謝肉祭7 イベント報告

皆さん、お元気ですか? 東雲騎人です。
さて、3月20日(土)に東京の阿佐ヶ谷ロフトAにて、「妖怪謝肉祭7」が行われました。これは妖怪研究家として活躍の多田克己先生と、わたくし、東雲騎人によりますトークイベントです。今回は、その模様を皆さんにご報告します。

進行は以下の通り。
 近況報告
 トーク①「方相氏」 
 休憩
 トーク②「納戸婆」
 休憩
 ゲスト登場
 トーク③「キの神」
 プレゼントタイム

時間にして3時間半。こうやって文字で書きますと、長いような感じですが、やってみますとあっという間でした。さぁ、ではどんなトークだったか、見ていきましょう!

トーク①「方相氏」
「ほうそうし」と読みます。これは1本角に金色の4つ目、熊の毛(皮)をかぶって、矛と盾を持っています。妖怪として知っている方もいるでしょうが、もともとは、魔を払う存在でした。京都の吉田神社や平安神宮などで、節分の際に催される「追儺(ついな)」と呼ばれる儀式に登場します。東京だと、上野の五条天神社のが有名です。
 この方相氏がどのように妖怪視されて行ったのかをしゃべりました。で、なぜ「方相氏」を選んだのか? それはですね、先月に多田先生が吉田神社に見に行ったからです。どうしても話したいと...。
 数日前に多田先生から大量の写真を預かり、せっせとスキャンして上映資料を作りましたよ。先生、できればデータでくださいね~。でもその甲斐あって、皆さん楽しそうに見て聞いておりました。なかでも、忍者の格好をさせられている犬の画像には、会場爆笑。これは多田先生の狙いどおりです!

トーク②「納戸婆」
 えらくマイナーな妖怪を選びました。こちらはわたし・東雲の報告です。納戸婆とは、その名の通り、納戸(収納部屋)に出没する妖怪です。岡山県の一部では、頭の禿げた老婆で、「ホーッ」と声を上げながら出現するとされます。そして、庭箒で叩くと、縁の下に逃げ込むのだそうです。
こんな妖怪を話そうと思いましたきっかけは、雑誌『怪』vol.28です。「土俗神」をテーマとした文章で、私は納戸婆を解説しました。民俗学では、この納戸婆と呼ばれる妖怪が、納戸神という神に対する信仰が崩れたものという指摘がなされます。でも、本当にそうなのか? どうにも気になりましたので、調べてみたのです。
 これは、珍しく多田先生が聞き役・補足・突っ込み役で、私がしゃべり倒すという進行。しかも、画像を一切使わず、文字だけ。いやー、来場の方はそれで楽しんでもらえるのかなぁと、すごくドキドキでした。結果は、自画自賛ですが、よかったのではないかと。少なくとも、壇上から見る限りでは、かなり聞いていただけたと思います。
 
ゲスト
 今回のゲストは、ぬらりひょん打田さん
  プロフィール    http://profile.ameba.jp/nurariuchida/
  妖怪百鬼ラジオ   http://timelisten.seesaa.net/category/7507023-1.html
 
 鳥取で行われた妖怪そっくりコンテストにて、「ぬらりひょん」で見事、最優秀賞を獲得された方です。境港や鳥取県をアピールし、妖怪を愛し、ラジオ番組までやってしまう。もうとにかくアクティブな方なのです。
 この方、ラジオやテレビの仕事もされているだけあって、とにかく話がうまいのです。なんて言いますか、話で人を引き付けるっていう感じがあるのです。いいなぁ、なんて思って、今回のゲストに。
 
トーク③「キの神」
 で、なぜこのタイミングで打田さんが登壇されたかといいますと、この「キの神」と関係があるのです。今年はじめ、山梨県立博物館にて開催されていました「キ神降臨」という企画展に、私と打田さんそして妖怪仲間で行ってきました。なので、このタイミングなんです。
 さて、では「キの神(キ神)」とは何なのか? これは中国の神獣で、一本足の牛の姿、体は蒼色、風雨や雷と関連のある神獣です。
 これが、山梨県にあります山梨岡神社に祀られているのですなぁ。しかも、その神像まである。それを展示したのが先ほどの企画展です。この神像、神社では7年に一度公開されているのですが、最近では毎年4月に公開されているようです。
 トークは、多田先生の独壇場! 中国と妖怪といえば、やはり先生の自家薬籠中ですわ。もう立て板に水のごとく話します。タイムキーパー役でもあります私は、もう時間が押しているのが怖くって恐くって。でも、多田先生が楽しそうに、そして真剣に話している姿を隣にしますと、無碍に切り上げるのも忍びないですからね。
 内容はかなり学問的で刺激的でした。なぜ、山梨県の神社に「キの神」が祀られているのか、そこから「一本足の妖怪―山―製鉄―中国」との関連を、ご存知の博識をもって解説しておりました。ちなみに、「キの神」については、多田先生が『怪』vol.13で論考を発表しています。
 
最後は恒例のプレゼントタイム。打田さんからは高尾さんの貴重な天狗イラストのペナント。
 打田さん「もう残数があまりないらしいです」
     「......残り4000枚。」

 どこがじゃーーーい!と会場誰もが突っ込んだと思います。
多田先生からは色紙と吉田神社の奴隷、ちがう土鈴。
私からは山梨岡神社の「キ神」お札。なんと、このために数年前に6枚も購入してあったのさ! あと色紙やら、「キ神降臨」のチラシやら。

今回は色々と試みました。
○トーク中盤にガチンコのまじめな話を入れる。
○多田先生に頼ってばかりではなく東雲も1テーマ話す
 この2点が、今回の「納戸婆」です
○オリジナルメニュー表をつくる
 オリジナルメニューは毎回やっていたのですが、どんな料理なのか、写真なり絵があった方がいい、という指摘がありましたので、今回は描いてみました~。どうですかねぇ?
○妖怪酒を販売
 妖怪に関するお酒や、妖怪の名を冠したお酒を販売する。

ご来場の皆さん、いかがでしたでしょうかねぇ。今回は80名以上の来場。ロフトさんも予想外で、料理を作るのが間に合わないくらいでした。「料理まだー?」というお客様もチラホラ。申し訳ありませんでした。でも、企画側からしてみますと、嬉しい悲鳴です。ドリンク、メニューは完売のものが続出。

最後に、
急遽お化け大学校ポイントの対象にさせていただけました。ありがとうございます。休み時間ごとに携帯をバーコードにかざしている方がおりました。妖怪の輪が広がっていくと嬉しいですねぇ。
ご来場の皆様ありがとうございました。なんだかんだ言っても、皆様が来ていただけなければ、イベントは立ち行きませんからね。ホント、ありがとうございます。今回来られなかった~、という皆さん、このレポートでちょっとは雰囲気が伝わったでしょうか。
そして、多田先生。ありがとうございます。横にいて先生のつぶらな瞳に見つめられるのは、私の特権ですよ~。

来月は「妖怪なう」です。あの、藤田和日郎先生が登場。さてさてどうなりますやら。ドキドキワクワクです!

化け大?バカ大? 続『馬鹿』のすゝめ、開催レポート!!


全体

2月20日(土)、名古屋にある東海中学・高等学校で、お化け大学校提携講義「続『馬鹿』のすゝめ」が開催されました。

堤氏 昨年 堤監督をして「シュールレアリズムの大会」と言わしめた抱腹絶倒の『馬鹿』企画。
東海学園大講堂(国指定登録有形文化財)を舞台に、京極教授と堤監督が次々に箱から飛び出す"無茶振り"とも言える「お題」に対し、"怪"刀乱麻を断つが如く答えていくという、前代未聞のトークショー。
話題が尽きたと思うや否や、舞台脇に佇んだ体格の良い謎の少年(元生徒会副会長)が突如美声で歌い出すという「おまけ」付。
 
名古屋市某所のレンタルビデオ店に現れる「かりてけ爺」の正体や、京極教授の周りにいる「妖怪・妖怪になりかけ」の人の正体、「なぜ上田次郎(TRICK)は巨●なのか」という裏話から、影響を受けた本・時代劇・映画監督などなど、普段聞きたくても聞けないような話が、次から次に展開されました。
 
とりわけ、"ロック"に出会った「レンズ職人になりたかった」少年が"堤幸彦"に、"日本的"な風景に憧れを感じ「坊主になりたかった」少年が"京極夏彦"となってきたという、二人の歩まれた足跡を振り返り、

京極氏「夢は叶えるものではなく、なるべくしてなっていくもの。」
「なりたいものに、なるんです。」
 
と語られた言葉は、(良い意味での)"バカバカしさ"に油断をしていた来場者の心の中に、スッと染み込んでいったのではないでしょうか。
 
くだらないにも程があり、豪華すぎるにも程がある"特別講義"に、大いに盛り上がった90分でした。
 
 
文責:東海中学校教諭/東アジア恠異学会会員 島田尚幸
写真協力:永井抱陽写真館




11/2(月) 特別講義in神保町が実施されました!




11月2日、神田・神保町にて、特別講義 in 神保町「お化け好きのための神保町の愉しみ方」が実施されました!

古書街・神保町をこよなく愛する京極夏彦氏、多田克巳氏、村上健司氏が神保町の思い出・楽しさを話していると、なんと荒俣宏教授が駆けつけて飛び入り参加!

古書のネット検索はサファリパークだが、古書店巡りはジャングル探険。どんなモノに出くわす分からないからこそ楽しい! と古書店巡りの素晴らしさを語り、予定時間を大幅にオーバーして大いに盛り上がりました。

化け大生の皆さんも、古書街探険をしてみよう!
オモシロイ本を見つけ、小躍りしている化け大教授陣に会えるかも!?




お化け大学校、東京・銀座に出没!



【民俗写真家・芳賀日出男さん】   

10月3日、お化け大学校は銀座に開校しました。
前号怪でも紹介した民俗写真家・芳賀日出男さんによる特別講義「見えないモノが見えてくる折口信夫の方法」です。芳賀さん自身が長年にわたりフィールドワークした写真を見ながら、難解といわれる折口民俗学をとてもわかりやすくお話ししていただきました。

折口民俗学は折口の造語が多いために、テキストだけ読んでいるととても難しく感じますが、折口がみたであろう風景や祭礼・芸能を写真で見ることで、ほんとうに見えないものが見えてくるように感じられる素晴らしい講義でした。最後は京極教授の解題、出席した化け大生からの質疑応答などもあり充実した授業でした。




夏が終わっても化け大の授業は続いています!



9月23日、27日とそれぞれ埼玉県は高麗神社と鶴ヶ島で"お化け大学校"協賛イベント「南の精霊展ファイナル」が開催されました。

23日は長い歴史を持つ高麗神社のまわりに真っ赤な彼岸花が乱れ咲きしていました。秋とは思えぬ汗ばむような日差しの中、はるかニューギニアから来訪した"ブイ・ジェネレーション"のメンバーが様々なダンスを披露してくれました。

残念ながら化け大生はあまり見かけませんでしたが、27日のイベントには、なんとお化け大学総長・水木しげる大先生が来場。それを聞きつけた京極教授も駆けつけて、鶴ヶ島は大いに盛り上がりました。

化け大イベントは不定的に随所に出現します。そして何が起こるかわかりません。思わぬシークレットゲストがあったりもします。化け大生にはどこでなにがあるのかはお知らせしていますので、ふるってご参加ください。